ウィングスの『レッド・ローズ・スピードウェイ』

ポール・マッカートニーのアーカイブ・シリーズ。いよいよ『レッド・ローズ・スピードウェイ』と『ワイルド・ライフ』です。

どちらも、リマスターされたオリジナル・アルバムに加え、たくさんのボーナス・トラックや映像作品などもあり、CDから豪華ボックス・セットまで、例によって、様々なフォーマットで提供されています。

ビートルズの解散後、『ラム』や『アナザー・デイ』で、ソロ・キャリアも順調に見えたポールでしたが、1972年に結成したバンド「ウィングス」は、どうもうまく立ち上がらないような感じでした。

なにしろ、デビュー・アルバムの『ワイルド・ライフ』は、すごく荒削りな印象で、事実、2週間で作っちゃったそう。チャート的にも振るわず、少々心配したものです。

しかしその後、「メアリーの子羊」「アイルランドに平和を」「ハイ・ハイ・ハイ」とヒットを積み上げ、1973年、『マイ・ラブ』で全米1位を獲得した頃には、「さすがポール」と、あらためて感心。

特に『レッド・ローズ・スピードウェイ』は、そのポップなアルバム・デザインもあって、まさにポール・マッカートニーの本格的な活動を画する作品となりました。

ただ1973年といえば、久我としては「プログレ」に目一杯ハマっていたころでありました。

なにしろ、ピンク・フロイドの『狂気』、イエスの『海洋地形学の物語』、ジェネシスの『月影の騎士』などなど、キラ星のようなプログレの名盤が続々発表されたのが、1973年だったんですから。

ほかにも、スティーヴィー・ワンダーの『インナー・ヴィジョンズ』、カーペンターズの『ナウ&ゼン』、ハービー・ハンコックの『ヘッドハンターズ』など、いろいろなジャンルの名盤が目白押しの年でした。

なので久我的には、大好きなポール・マッカートニーとはいえ、正直、当時それほど注目していたわけではないんです。

『レッド・ローズ』も、本当は2枚組の予定だったとか、様々なバージョンやアウトテイクがあるということで、このアーカイブ・シリーズもまさに盛りだくさんなのですが、それは、本当にコアなポール・ファンの皆様にとっての宝物ということなんでしょうねー。

久我としては、せいぜい2枚組のバージョンで十分かなと、1995年のリマスター版(これもそれなりに優秀でした)を買いかえて、満足であります。

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それにしても『マイ・ラブ』ってのは、完璧なヒット・チューンですね。書くべき時にこんな名曲が書けるポール。その偉大な天才ぶりと、リンダへの愛にひたすら敬意を表しつつ、お届けいたします:



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