ピーター・ガブリエルが抜けて、フィル・コリンズがフロントに立った当初、ジェネシスは、ライブで色々なメンバーを試行錯誤していました。1976年のこのライブ盤は、ビル・ブラッフォードをサポート・ドラマーとして迎えていた時期のものであります。
「Alive The Live」というレーベルが、キングス・ビスケットなどの放送用ライブ音源をCD化しているシリーズで、このほか、ジェントル・ジャイアントやジェスロ・タル、ロキシー・ミュージックなどのライブ盤が出ています。
まあ恐らく、すべてブートレッグとしては出ていたんでしょうけれど、久我はブートは一切聞かないので、今回のブラッフォード入りのジェネシスはありがたいです。何しろこの時期のは、オフィシャル盤としては「Three Sides Live」とかにちらっと収録されているのみで、フルステージ 9曲、1時間以上ってのは、うれしいです。
時は1976年6月10日。場所はロンドンのハマー・スミス・オデオン。
曲目は:
1 ダンス・オン・ア・ヴォルケーノ
2 ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ
3 カーペット・クローラーズ
4 ザ・シネマ・ショウ
5 ロベリー、アソールト&バッテリー
6 ホワイト・マウンテン
7 ファース・オブ・フィフス
8 ロス・エンドス
9 イット > ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ
ってことで、まだまだ「ガブリエル期」のも多く使われていました。
ビル・ブラッフォードは恐らくフィル・コリンズとの仲も良く、助っ人を頼まれたんでしょうけど、どんなバンドに入っても「ブラッフォード振り」を丸出しにしちゃうのが、本当に微笑ましいです。シャープなドラミングは相変わらずですが、フィル・コリンズのドラミングとはフィーリングが大きく違うので、ジェネシスの楽曲もそれぞれ新鮮に聞こえます。フィルと二人での「ドラム・バトル」も聴かせどころですね。
録音状態は、オフィシャル盤の『セコンズ・アウト』などには到底およばないですけれど、さすがにラジオ放送用なので、それほど悪くはないです。いわゆるブート盤などよりは、ずっと良いですね。
ということで、その後、フィル・コリンズのせいで(?)、ポップな世界にまっしぐらに突入して行ったジェネシスに、久我としては一切興味ないものの、とにかく愛するビル・ブラッフォードのひとつの記念碑として、愛聴していきたいと思います。
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