実はポール・マッカートニーの生ライブは一度も見たことなかったんです。
で、今回、ふと思うところあり行ってきました。
ジョンもジョージも死んじゃったし、ひょっとするとこのまま「生ビートル」を一人も一度も見れないというのはまずいんじゃないか?というのがそもそもです。
ビートルズ時代のポールは、もちろん「圧倒的存在」(日本の評論家は、ジョン・レノンを過度に高く評価する傾向があり大いに不満です)。ただ、ウイングス以降のポールは今ひとつ。ジョンとのいい意味での緊張感がなくなったせいで、単にシンプルで親しみやすいポップの王道になってしまったような。でんど〜にとって、ポールは、あの傑作「ラム」でだいたい終わってしまったんです・・・。
でも、最近のポールのコンサートで、ビートルズの曲を「惜しみなく」披露しまくっているというのは知っていました。アンコールに、あのアビイ・ロードのメドレーをやってると?なに?ふ〜ん。。。
といった感じで、それほど大きな期待もなく消化試合的に行って来たんです。
どころが、これが。
これが。。。
むちゃくちゃ、すばらしかった。。。。。。!
あまりにもすばらしくて、不覚にも涙ぐんでしまったでんど〜・・・。
とにかく、まず、67歳のポール・マッカートニーの現役ぶりに唖然です。見た目だってまだまだ若い。立ち姿もぜんぜんカッコイイ。
声も出る出る。シャウトしまくる。キー下げなくても、楽勝でハイ・トーン出す(ロバート・プラントよ反省しろ!)。しかも、冗談を飛ばしながら、とっても楽しそうに軽々とこなして行く。アンコールもたっぷり、2時間半のフル・ステージ。
いったい、どうなっとるんじゃ?
あらためて、ポール・マッカートニーにとって、バンドでコンサートするということが、いかに大事なのか分かります。
功成り名を遂げ、アーティストとしての人生を極め尽くした「老人」が、なぜ老体にむち打って過酷なツアーに出なければいけないのか?それは結局、お客さんに喜んでもらって、盛り上がると楽しいってことなんですね。人前で演ってこそのロックなんだと。
「ジョンとジョージとリンゴと、4人で一緒に作った音楽。彼らの分も一生懸命、死ぬまで演って、世界中のファンに喜んでもらおうじゃないの」と、ポールのストレートな気持ちが飛び込んで来ます。
ビートルズ・ナンバーを20曲近く、次から次にくり出すセットリスト(*下記)の強力さは言うまでもありません。ここのところ不動のサポート・メンバーの「再現力」も申し分なし。ジョンとの想い出を語って「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」。ジョージにもらったウクレレで「サムシング」。
ソロ時代の代表作も負けていません。お約束の「007 死ぬのは奴らだ」の打ち上げ花火も、当日のハイライト。スタジアムを埋め尽くす大人から子供まで幅広いオーディエンスは、心からそんな「ロック・ショー」を楽しんでいました。
(全体的なライヴの構成は、2005年ツアーの前後とそれほど変わりません。
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以上、ポールのコアなファンの方々すると、「なにを今さら感心しておるんじゃ」と叱られるのは間違いないですが、本当にポール・マッカートニーという偉大な存在にあらためて感動し、同じ時代に生きることができた幸せを、しみじみと噛みしめています。
今や人間国宝としか言いようのないポール。ありがとう。そして、いつまでも元気で。
*セット・リスト
“Venus and Mars/Rock Show”
“Jet”
“All My Loving”
“Letting Go”
“Drive My Car”
“Highway”
“Let Me Roll It”
“The Long and Winding Road”
“Nineteen Hundred and Eighty-Five”
“Let ‘Em In”
“My Love”
“I’ve Just Seen a Face”
“Blackbird”
“Here Today”
“Dance Tonight”
“Mrs Vandebilt”
“Eleanor Rigby”
“Something”
“Sing the Changes”
“Band on the Run”
“Ob-La-Di, Ob-La-Da”
“Back in the U.S.S.R.”
“I’ve Got a Feeling”
“Paperback Writer”
“A Day in the Life”/”Give Peace a Chance”
“Let It Be”
“Live and Let Die”
“Hey Jude”
アンコール 1
“Day Tripper”
“Lady Madonna”
“Get Back”
アンコール2
“Yesterday”
“Helter Skelter”
“Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”/”The End” メドレー
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