ジェームス・テイラーは、ただの「フォーク・シンガー」なんかじゃありません。
アメリカにおける人気と尊敬のされ方は、日本では想像もつかないほど。ほとんど「国民歌手」と言って良いほどの愛され方です。
ジェームス・テイラーは1970年、『スイート・ベイビー・ジェイムス』で清々しい全米デビューを飾りました(正式デビューは68年アップルより)。
1971年、初の全米1位に輝いたのが、キャロル・キング作のこの名曲『君の友だち(You’ve Got a Friend)』:
その後もヒットは続き、リリースされたアルバムは、ほぼ全て100万枚以上を突破。
2000年には「ロックの殿堂」入り。
2006年、6度目のグラミー賞授賞式においては、ジェームス・テイラーの功績をたたえ、キャロル・キング、 ブルース・スプリングスティーン、スティング、ポール・サイモン、デヴィッド・クロスビー、シェリル・クロウといったビッグ・アーティストが一堂に会し、彼の曲を歌い祝うというイベントも催されました。
2010年、キャロル・キングと一緒のワールド・ツアーは日本でも大成功でしたが、筆者が見たフロリダ公演の盛り上がり方はものすごく、それはとても感動的なものでした。
そして2015年、70歳を迎えてリリースされた最新作『Before This World』も、全米1位となっています。
2018年10月23日、ワールドシリーズの開幕にアメリカ国家を歌うジェームス・テイラー。聴衆の声援もすごいです:
ジェームス・テイラーの音楽は、フォークとカントリーを基礎に、ジャズやブルース、さらにR&B/ソウルの「黒いフィーリング」が分かちがたく混ざり合ったところが特徴なんです。
アコースティック・ギターの達人でもあるジェームスは、特に、親指で弾く「ベース音」を強調する奏法が最大の個性。そのはっきりしたベース・ラインにあわせて、高音弦を巧みに爪弾くことにより、時にクラシカルに、時に不協和音的に、実に多彩で繊細なハーモニーを生み出していきます。
その上に、深く豊かなヴォーカルが乗っかるんだから、たまりません・・・。
そんなジェームス・テイラーの多彩な個性が発揮された名曲のひとつがこれ、『寂しい夜(Don’t Let Me Be Lonely Tonight)』。ジャズとR&Bのフィーリングにあふれ、故マイケル・ブレッカーの奏でる絶品なテナー・サックスが彩りを添えます:
ポップでファンキーな味わいも、ジェームス・テイラーの大きな魅力。
1977年のアルバム『JT』よりシングル・カットされ、全米11位とヒットした『きみの笑顔(Your Smiling Face)』をお聞き下さい:
ライブにおけるジェームス・テイラーは、その暖かい人柄ですべての聴衆を魅了してしまいます。すっかり後退しちゃったヘア・スタイルも、もはや、彼の素晴らしいパーソナリティの一部になっちゃいましたね。
2010年のライブ映像より、彼が世に出た『ファイア・アンド・レイン』です:
たくさんの傑作アルバムをリリースしてきたジェームス・テイラー。そのおすすめ盤を絞るの難しいですが、厳選すればこちらでしょうか:
- 『マッド・スライド・スリム/Mud Slide Slim and the Blue Horizon』〜1971年の(実質的な)セカンド・アルバム。全米2位。アメリカだけで売り上げ200万枚突破。「君の友だち」をはじめ、若きジェームス・テイラーの魅力がすべてつまっています(➡️ こちらのAmazonでご注文いただけます)
- 『ワン・マン・ドッグ/One Man Dog』〜ダニー・クーチ、ラス・カンケル、リーランド・スクラーといった同士に囲まれリリースされた1972年のこのアルバムは、リラックスした雰囲気の中に、ジャズ的な広がりや、組曲的な展開もみせ、非常に充実した作品に仕上がりました。全米4位、ゴールド・アルバム認定(➡️ Amazonでご注文いただけます)
- 『ライブ』〜1992年のツアーから、フル・バンドを従えたジェームス・テイラーの圧巻のステージ全30曲が、CD2枚組に真空パックされています。17曲のダイジェスト盤もあり(➡️ Amazonでご注文いただけます)
ジェームス・テイラーよ永遠なれ!
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