ずっと気になってて、欲しかった、「耳栓型(カナル・タイプ)」のイヤフォンを購入してしまいました。
米エティモティックリサーチ社(Etymotic Research)の「ER-6i」です。
愛用の、オーディオテクニカ「ATH-CM7TI インナーイヤーヘッドフォン」に、ゼンゼン問題はありませんでした。
でも、例の知り合いが、耳栓型イヤホンの最高峰、「SHURE E5c イヤホン(4万8000円)」を見せびらかし続けるので、気になって気になって。
「無音の世界」というものに。。。
耳栓型の最大のウリは、いったん耳に突っ込むと、まったく外界から遮断されるということです。ほとんど完全な無音状態の中から、音楽だけが聴こえてきます。通勤途中でも、周りにヒトがいても、一切無音で、音楽だけが響いて来る。
ということらしい・・・。
これはやっぱり魅力だ。
では、なぜこのER-6iを選んだかといいますと。
耳栓型で有名なのは、なんと言っても米SHURE社です。今や、E5cのほか、E4c(31,800円)、E3c(19,800円)、E2c(9,800円)と、ご予算に応じて色々なタイプが出ています。
音質的にも、高い評価を確立した2ウエイ・スピーカーのE5cをはじめ、みな優れたもののようです。
ただ、
・なんせ、アメリカ人向けのサイズで、なかなか日本人の耳にはつらい(はっきり言ってデカイ)。
・イヤフォン・ケーブルがゴワゴワで、耳の後ろに回す特殊なスタイル。ちょっと扱いづらい(E5c)。
・安いの(E2c)は、低音が強調され、中高音の繊細さを欠いているらしい。
・どっちにしろ、一番高いE5cは買えっこない
てなことで、躊躇しておりました。
そこで、コレ。ER-6iであります。
エティモティックリサーチ社は、アメリカの会社で、この手のイヤフォンでは有名らしいです。この、ER-6iはiPodを完全に意識した製品になっています。
ね、白くって、かわいいでしょう?ケーブルも白で完全にiPod対応。繊細にフィット。違和感ゼロです。
有名になったのは、ブッシュ大統領がマウンテンバイクに乗る時、iPodと一緒に使ってるから。
でも、こういう耳栓型は、音が聞こえなくて危険なので、自転車に乗ったり、ジョギングしたりする時はゼッタイ使用不可なはずですが・・・。
大丈夫か、合衆国大統領?
で、早速、使ってみました。ということで、じわじわ評判を高めているイヤフォンらしいですぞ。
まず、耳に突っ込むってのが、なかなか難しいです。コツが入ります。
装着方法の説明文載せましたが、なんか、おっかなくね?
一般的なイヤホンが耳に軽く挿入するだけに対し、カナル型は、外耳道(耳の穴)に「もう入らない位」まで深く挿入する必要があります。装着のコツとしては、左側参考イメージの通り、耳たぶを上に引っ張りながら、外耳道と並行に深く差し入れます。そしてさらに、斜め下から耳の奥にむかってグリグリと力を入れ「ねじり込みながら」装着すると、わりとうまくいきます。感覚的には、耳の中の空気を追い出し「真空状態」にする感じです。「カナル」はその名の通り「耳栓」ですから、音の鳴っていない状態で、外部の音が全く聴こえない状態であればうまく装着できたと判断してください。 |
(「サウンドハウス」ホームページより) |
最初は、どこまで突っ込めばイイのか分からず、ビビっておりました。入れすぎて、耳の穴痛くなったりもしました。グリっとひねりながら入れたり、色々工夫です。慣れると、なんとかなります。
で、これがすごいんですね。
なんせ、耳栓ですから。ぴったり耳の中に密着すると、ホント、なにも聞こえなくなっちゃいます。自分の声も聞こえません。その代わり、頭叩くと響きます。道歩くと、足音が伝わってくるような感じです。
ま、あたり前ですね。両耳に指突っ込んだのと同じなんですから。
6iのトレードマークは「isolator」。なんせ、「孤立化」、「孤立するヒト」ですからね。耳栓型色々ある中で、トリプル・フランジ型イヤーパッドで、ダントツの遮音性を誇っているのも分かります。
それで、サウンドは?
うー!無音から、音楽が立ち上がってくる。
別世界じゃ!
まず、リファレンスに、スティーリー・ダンの「ヘイ・ナインティーン」。
第一印象は、非常に原音に忠実なナチュラルサウンド。体に染み付いたスティーリー・ダンのサウンドが、何の色付けもなくきちんと再生されます。リック・マロッタの無機質なハイハット、ウォルター・ベッカーの粘っこいベース、そして、ドナルド・フェイゲンの個性的なヴォーカル。すべて、あるべき音があるべきサウンドで鳴っています。
メーカーとしては、「iPodのイコライザーをOFFに、あくまで原音を聴いてもらいたい」、と考えているようです。
こういうの、欲しかった。
特に、評判どおり、高音域の分解能・繊細さが光ります。エコー感などの表現も、高級オーディオの再生音のようで、申し分ありません。低域が弱いという批評もあるようですが、イヤフォンの突っ込み方に気をつければ、しっかり鳴ってくれます。
さらに、ぶっ飛んだのが、パット・メセニーの「想い出のサン・ロレンツォ」。
無音から飛び出てくるアコースティック・サウンドに、ちょっとびっくり。聴きなれた作品が、あたらしい透明感で鳴ってくれます。ライル・メイズのピアノ・ソロのパートに来たら、感動で「鳥肌が立って」しまったぐらいです。
オーディオテクニカとの比較では、やはり、外界の音が混じるかどうかで決定的に異なります。以前は、うるさい場所では、知らずにボリュームを上げたり、イコライザーを入れたりしてたのが、一切不要なんですから、ストレス激減です。
電車の中でも、完全に「別世界」。ちょっと優越感。
さらに、ER-6iは「エイジング」が必要ということで、鳴りなれてくれば、ますます本領発揮らしいので、なおさら楽しみです。
一発で、ファンになりました。もう、ぜったい手放せません!
でも、早くもタクシーに轢かれそうになりました。クラクションなんか一切聞こえません。気をつけないとなー。
お値段は、15,000円前後のようですが、わたしは、サウンドハウスのネット販売でゲットしました。ここは、「国内最低価格保証」と言うだけあって、かなり安かったですよー。
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